『不況またよし』
こんにちは。社会保険労務士の荒木です。
最近「景気が底を打った」かのような報道がなされています。
確かに製造業では一時的な極端な在庫調整というものからは、回復してきつつあるようですね。
じゃあ今後順調に回復していくかといえば、そうでは無さそうで、私の周りでも、業種を問わず、経済環境は厳しいところが多いとみえます。
100年に一度の大不況という言われ方をしていますが、この意味としては、
誰も経験をしたことのない不況と言うことだと勝手に理解しています。
経験に頼って対応できないから難しいのだと。
そういうときには先人の知恵を借りたいところです。
パナソニックの創業者であり、経営の神様と言われた松下幸之助さんは、
昭和4年の大恐慌を経験され、『不況またよし』の言葉を残されています。
以下は松下幸之助さんが残された、不況克服の心得10か条、是非参考にしてく
ださい。
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第一条 「不況またよし」と考える
不況に直面して、ただ困ったと右往左往していないか。
不況こそ改善へのチャンスであると考える前向きの発想から、
新たな道もひらけてくる。
第二条 原点に返って、志を堅持する
ともすれば厳しさに流されて判断を誤りやすい不況こそ、
改めて原点に返り、基本の方針に照らして進むべき道を見定めよう。
そこから正しい判断も生まれ、断固といた不況克服の勇気と力が湧いてくる。
第三条 再点検して、自らの力を正しくつかむ
ふだんより冷静で念入りな自己評価を行い、自分の実力、会社の経営力を正しく
つかみたい。 誤った評価が破綻を招くのである。
第四条 不撤退の覚悟で取り組む
なんとしてもこの困難を突破するのだという強い執念と勇気が、
思いがけない大きな力を生み出す。不況を発展に変える原動力は烈々たる気迫である。
第五条 旧来の習慣、慣行、常識を打ち破る
非常時ともいえる不況期は、過去の経験則だけでものを考え行動してもうまくは いかない。
これまでの当然のこととしてきた習慣や商売の仕方を、徹底的に見直したい。
第六条 時には一服して待つ
あせってはならない。無理や無茶をすれば、深みにはまるばかりである。
無理をせず、力を養おうと考えて、ちょっと一服しよう。そう腹を据えれば、
痛手も少なくなる。終わらない不況はないのである。
第七条 人材育成に力を注ぐ
「苦労は買ってでもせよ」というが、不況とはその貴重な苦労が買わずとも目の
前に あるときである。不況のときには出来ない 人材育成の絶好の機会としたい。
第八条 「責任は我にあり」の自覚を
業績低下を不況のせいにしてはいないか。どんな場合でも、やり方いかんで発展
の道はある。うまくいかないのは、自らのやり方に的を得ないところがあるからである。
第九条 打てば響く組織づくりを進める
外部環境の変化に対する敏感な対応は、よい情報も社員からどんどん上がってく
る、お互いの意思が縦横に通いあう風通しのよい組織であってこそ可能となる。
第十条 日頃からなすべきをなしておく
不況時は特に、品質、価格、サービスが吟味される。その吟味に耐えられるよう
に、日ごろからなすべきことをなしていくことが必要である。
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不況またよし
松下幸之助さんは、不況に対してことあるごとに「不況またよし。不況は改善、
発展への好機である」といっていたそうです。
また、「松下電器は不況のたびに伸びてきた」と、こうもいってはばからなかっ
たらしい。
不況に直面したときに、どういう心持ちで対処していくか。
心のボタンの掛け方一つで答えが正反対になっていくのだろうと思います。
私自身、この不況は脅威でもありますが、ビジネスチャンスとも、自分を鍛えて
くれる絶好の機会であると思うようにしています。
2009年6月29日