有効求人倍率増加に伴う、雇用保険行政
今回は、雇用保険についてお話します。
平成19年(来年)4月に雇用保険料の引き下げ(労使共0.1%程度ですが…)が決定しました。
雇用保険料率は、3、4年ほど前は労働者負担分は0.4%でした。現在は0.8%(建設業は0.9%)ですから、倍になっていたわけです。
どうやらこれらの料率決定基準は、失業率の高低をベースにして、失業保険の準備金額によって決定され、最近の失業率の低下により失業保険の支払が減り、準備金が潤ったために徴収額が下がるようです。
気づかない間に雇用保険が実は倍近く上がっていたわけですが、健康保険や、厚生年金に比べたら可愛いものです。
現在の健康保険は4%、厚生年金は7%です。ひとケタ違います。そして雇用保険を含めた公的保険は、事業主も同額以上を福利厚生費または法定福利費として納めているわけです。
さて、雇用保険の使い道は失業者に対して失業保険を支払うだけではありません。
その他にも意味不明な補助金や、到底もらえないような助成金制度を作ったり、無駄な保養所や研修施設を作るためにも使用されています。
これらの使い道を制限したり、半年ごとに退職をして失業保険をもらい続ける労働者を,
もっと制限する(実際は無理でしょうから、失業保険の本質を考え直す)などきちんとした使い方を見なおせば、納得のいく雇用保険行政が実現し、かつ保険料も以前よりも下がるはずなのですが。
しかし、今後、今の好景気が長く続き、有効求人倍率も更に上がってくれば、雇用保険の財政も安定し、更に下がって来ると思っています。
しかし、根本的な改善が必要ですね。
社会保険労務士 日高徹
2006年10月31日