社長の仕事って何だろう!?
最近の景気悪化を受けて、社長さんから聞こえてきます。
「現場が忙しいから、資金繰りを把握できない」
「外回りが続いて、時間取れないので経営会議は無理だ」
などなど。
このご時世、みんなで力を合わせて、社長も一緒に現場で汗を流す。
非常に良いことだと思います。
ただ、少し心配な点があります。
今を乗り切ることに精一杯で、
近視眼になってしまっていないでしょうか?
業務に埋もれてしまっていないでしょうか?
また、社長の周りの方々、従業員さんや取引先にとっても、
社長自身も現場優先でこの難局を乗り切ろう!
と、それが美談のように捉えられていないでしょうか?
少し厳しい言い方ですが、
経営が機能していない状態の言い訳になってしまっている気がします。
社長とは、経営者です。
経営者というからには、社長にとっての一番大切な仕事は、経営の仕事です。
経営の仕事とは、いろいろあるでしょうが、
「会社を継続、成長、発展させるために行う仕事」です。
具体的には
売上を確保するためにはどうしたら良いか?
従業員にキチンと給与を支払うためには、どう資金繰りしたら良いか?
銀行とうまく付き合うにはどうしたら良いか?
この景気悪化の状況に対して、どのように対応すべきか?
良い人材を確保するにはどうしたら良いか?
より効率よく従業員が働けるにはどうしたら良いか?
まだまだ色々ありますが、要するに船で例えると船長です。
会社の現在、未来を考えるには、近視眼ではなく大所高所から経営をとらえる必要があります。
従業員が5人以上いるという会社ならば、経営者が「現場が忙しくて社長業ができない」という状態は、会社が組織として機能していない状態であるといえるでしょう。
社長の経営機能がストップしている組織は、プレイヤーの集まりです。
集まりであって、組織とは言えません。
現在の規模、安定感のままでよいならば、それでよいでしょう。
しかし、それなりの規模、キチンとした組織としたいなら、どこかで脱皮しなければなりません。
いま、現実に社長が現場で忙しかったとしても、「社長本来のお仕事の内容」をキチンと理解しており、緊急事態が過ぎたら、社長業を優先するつもりならばよいと思います。
また、よくある光景ですが、
社長も一緒に汗を流してほしい。
社長も一緒に現場でやり続けてほしい。
社長も手を動かしてほしい。
という意見も従業員から出てくると思いますが、それはサークルの延長の考え方であって、会社の目標や戦略を理解してもらう必要があると思います。
2009年12月18日