秋から資金調達が難しくなりそうです(融資)
ここ数年、銀行はビジネスローンに力を入れています。
融資を受けようとする際、銀行はこのビジネスローンを勧めてきます。
ビジネスローンとは、いわゆる信用保証協会の保証もなく、担保も不要な融資です。
企業の収益力、財務力から判断して銀行が独自に融資を行うプロパー融資です。
このプロパー融資は、担保主義ではなく、決算書の内容により、企業の格付けをし、その格付けにより金利、融資額が決められるものです。
代表的なのは三井住友銀行のビジネスセレクトローン(またはクライアントサポートローン)があります。
このビジネスローン、借り手にとってメリットのある特徴は
○審査期間が短く、申し込んでからすぐ融資がおりること。
○決算内容によっては、保証協会付き融資よりも利率などの条件が良い。
したがって、多くの企業がビジネスローンを活用していました。
ところが最近、景気の上昇に伴い、借入金の金利も上昇しつつあります。
ビジネスローンの金利は変動金利のため、軒並み利率が上昇しました。借り手である企業は、金利負担が増しています。
また、貸し倒れが頻発したため、それまでイケイケであったビジネスローンの審査基準が厳しくなりました。
それまでは、上記記載のように、銀行がビジネスローンを推していたため、保証協会付き融資よりもビジネスローンを活用する企業が多かったのですが、この審査基準が厳しくなったことにより、借り手企業は従来の信用保証協会付きの融資にシフトするだろうと思います。
しかし、この信用保証協会付きの融資も秋からハードルが高くなりそうなのです。
どういう事かというと、公的に中小企業の信用力を補完し資金調達を円滑にする信用保証制度に「部分保証」が導入されようとしています。
「部分保証」は、これまで融資の全額を保証協会が保証してきたものを、金融機関(20%)と保証協会(80%)とで責任を共有する制度に改めるものです。
政府は景気と金融環境が改善したとして、この制度導入を図るとしています。
そうなると、今まで銀行としては自分の腹は痛みませんから、信用保証協会付きの融資は比較的貸してくれていたケースでも、これからは融資の審査が厳しくなることが予想されます。
秋から保証協会付き融資による資金調達がむつかしくなりそうです。
具体的には、10月からこの「部分保証」が行われるそうなので、これから先、資金が入用な場合は早めの対策が必要だと思います。
2007年5月23日