コスト削減の勘どころ
事業仕分け第2弾が始まりましたね。
本当に無駄遣いなコストは削減すべきです。
しかし、本当に無駄なコストかどうかを見極めるのは難しいです。
確かに、事業仕分けの対象になっている事業の中には、本当に必要なの?と頭をかしげてしまう内容も少なくありません。
過日の事業仕分け第1弾の時には、科学者が異論を唱えていました。
「現在の無駄遣いをなくす」という視点だけで判断してしまうと、「将来の科学の進歩の目を摘んでしまう」と。
事業仕分けと、コスト削減の共通の視点として次の2つの視点で考えましょう。
コストパフォーマンスの視点
費用は収益を産み出す種である。という視点からこのコスト(投下費用)に対するリターン(利益)、つまりコストパフォーマンスが良いかどうか。
良くないならば削減をすべきコストであるという訳です。
ただ単に無駄遣いをなくすという視点だけでは、コスト削減の根拠は薄いです。
家計を預かる主婦の視点?で判断するだけでは組織の先細りです。
このコストパフォーマンスの視点から考えてコスト削減を検討しましょう。
継続性の視点(今の視点ではなく、先行きの視点)
今の時点で、コストパフォーマンスが上がっていなくとも将来上がる可能性が高い(または、将来、上げるつもり)ならば、この将来の可能性を組み入れて検討する必要があります。
たとえば、将来に備えての新人の採用や広告費などです。
新人は最初からコストパフォーマンスが良い訳がありません。
しかし、経験やトレーニングを経た後には、よいパフォーマンスを上げる事でしょう。
コスト削減や事業仕分けで異論がでるのは、この2つの視点が網羅されておらず、どちらか片方の視点だけで議論されるから、どちらも言い分あるような感じがしながらも先に進まないのです。
現在の視点だけで無駄を削るだけでは、組織の先細りがしてしまうでしょう。
また、科学者の反論も一理あるのですが、先行きの面だけでの主張では納得いかない方もいるでしょうね。
科学者の方たちが主張する先行きの投資の面で、では具体的に現在の投資に対する将来の果実をある程度明示できたら、よい議論になるのではないでしょうか!?
特に、企業経営では、先行きの投資に対する期待リターンを考慮して行うべきです。
その後、この投資に対するリターンを測定しながら、投資のさじ加減を行うPDCAで経営すると良いでしょう。
2010年5月6日