必要経費を見直しましょう!(個人事業者の確定申告 減価償却費)

事業者が、事業に必要な車両や機械を購入した場合、購入時に全額が経費になる。という訳ではありません。

10万円以上の機械や備品は一括で経費にはなりません。(一部例外もあります。この例外についてはこちらの(3)を参照下さい。)

それぞれの資産の種類、用途ごとに「耐用年数」(つまり、その資産がどれだけ使用されるかの基準)が決められており、その耐用年数期間で経費化してゆく計算になります。

この経費化のことを「減価償却」といいます。

(資産の使用によって、価値が減価する。その減価した価値を経費にするという意味です。)

平成19年4月1日から、この減価償却の計算方法が変わりました。

平成19年3月31日以前に取得した資産については「今までの減価償却方法」で計算。

平成19年4月1日以後に取得した資産については「新しい減価償却方法」で計算。

分かりやすく計算例で記載します。

例えば、100万円の乗用車 耐用年数6年を1月に購入した場合(12ヶ月間使用)

「今までの計算方法」 ←平成19年3月31日以前に取得した資産

旧定額法 

1年目 100万円×0.9×0.166=149,400円

2年目 100万円×0.9×0.166=149,400円

旧定率法

1年目 100万円×0.319=319,000円

2年目 (100万円-319,000円)×0.319=217,239円

上記の「0.166」、「0.319」は「償却率」といい、あらかじめ耐用年数ごとに決められています。

「新しい計算方法」 ←平成19年4月1日以後に取得した資産

新定額法

1年目 100万円×0.166=166,000円

2年目 100万円×0.166=166,000円

新定率法

1年目 100万円×0.416=416,000円

2年目 (100万円-416,000円)×0.416=242,944円

新定額法は、(×0.9)がなくなったので、その分、減価償却費は多くなりました。

新定率法は、償却率が大幅に増加したため、購入した年の償却額はとても大きくなりました。

上記のように取得した日によって、計算方法が変わっていますので、ご注意下さい。

では、この2種類ある減価償却の方法をどのように活用するべきでしょうか?

この2種類の償却方法の特徴

定額法 → まさに毎年の減価償却費は毎年、「定額」になる。

定率法 → 減価償却費は初めの年ほど多く、年とともに減少してゆく。

2種類の減価償却方法の特徴を理解した上で、減価償却方法を選んでいますか?

減価償却方法をどちらにするかで、利益額も変わってきます。当然、税額も変わってきます。

償却方法の変更は、まだ間に合います!

今回のブログで強調したい点は、

第一に、減価償却の制度を認識していただく。

第二に、ご自分にあった減価償却制度への変更をする。

の2点です。

税制改正があったため、平成19年分の減価償却方法の変更は、平成20年3月17日までの届出でOK!になっています。

上記の計算例でも明らかなように、資産購入初年度は、「定額法」よりも、「定率法」の方が、減価償却費は大きく計上できます。

個人事業者の方は、殆どの方が「定額法」という計算で減価償却費という経費を計算していると思います。(特に減価償却の計算方法についての届出をしていない場合、「定額法」になってしまいます。)

この記事を読まれた方は、是非、ご自分の所得金額を考慮した上で、有利な方を選択して頂きたいと思います。

(参考)

償却方法は、減価償却資産の種類ごとに選定します。この場合、償却方法の選定の届出が必要です。

通常、その年の3月15日までの届出が必要なのですが、平成19年分については税制改正があったため、平成19年分の所得税に係る確定申告期限(平成20年3月17日)までに提出することにより、変更の承認があったものとみなされます。

平成19年分の確定申告期限は、平成20年3月17日月曜日です。

(3月15日が土曜日のため、翌々日の17日月曜になっています。)

確認です!!個人事業者の方へ

今までの申告方法で大丈夫ですか?

確定申告をする前に、現在の申告方法で大丈夫か!?をチェックできます。こちらの「確定申告をする前に!」(←クリック)をご覧下さい。

2008年1月28日

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