会社法上の監査役設置の注意点
今回は、監査役の見直しに関して、実務上のポイントをお話します。
これまでの株式会社には必ず監査役をおく必要がありました。
形式的に監査役を置いていた会社も、これからの会社法では実質的な組織に変更できるようになったため、わざわざ監査役ポストを作る必要がなくなりました。
そのため、株主が業務や会計の中身について直接監査(直ちに株主が報告を求めることや、取締役の行為の差し止めなど)ができるような法整備ができました。
今までは監査役にまず報告等することになっていましたが、監査役が機能していないため、あまり実効性が無かったためです。
私としても、監査役を実質的な存在とするか、無駄なポストとして削除するかということは、その会社の見つめなおしの機会として評価できるのではないかと考えております。
-最後に手続き上の注意点として-
これまでに設立されている株式会社の監査役は、先ほど申し上げたとおり、まずは会計監査権限のみの監査役です。
しかし、これを業務監査まで拡大する場合は、定款変更が承認された株主総会において、任期満了として退任した後、改めて、業務拡大しますよ。という手続きとなります。
つまり、同一人物が、引き続き、監査役に留まり、業務範囲を「会計監査権限のみ」から「業務監査」まで拡大する場合は、改めて重任をする決定を行い、議事録への記録と、役員の重任登記手続きを踏む必要があるのです。
ちなみに監査役は、未成年でも就くことができますが、子会社の取締役とは兼任できませんので、ご注意を!
行政書士 小松原励
2006年11月2日