無借金経営を目指せ!中小企業のための「借入金を半分にする方法」
金利が上昇してきています。今後も更に上昇してゆくでしょう。
多くの中小企業は借入金がありますので、その影響を受けることになってしまいます。では、そもそも借入金を減らすことはいかがでしょうか?
借入金を削減する事は、実は利息負担を軽減する以上の効果があるのです!
そもそも起業する場合や、中小企業が業務を拡大する場合には、借入金によって資金を調達します。(資金が潤沢にある場合を除いて)
借入金がテコの効果(レバレッジ効果)を発揮し、新規事業に投入する借入金以上の利益率であれば、利益が出ますね、という事です。
一般的には、損失補てんの借金ではないですから、「良い借金」と言われています。
しかし、中小企業が事業を「継続」してゆく過程には、業績が落ち込んだり、資金の回収が滞ったりと様々なリスク要因が考えられます。
そのリスクを最小限に抑えるには、大元である借入金を減らすことなのです。
借入金を減らす事によって、利息負担が減る以上の効果が見込まれます。
言い換えると、負債を減らすための準備や企業努力を行うことによって、企業体質が強くなってくるという事です。
一般的に、借入金を減らすには、
(1)運転資金を圧縮する。
(2)固定資産を処分する。
(3)余分な現預金を持たない。
(4)自己資本を増強する。
と言われています。しかし、このような一般的な借入金返済のセオリーは、大半の中小企業にとって非現実的である場合が多いのです。
まず、中小企業で余計な余剰資産を持っているケースも少ないですし、自己資本を増強するために資本を募って増資することも難しいでしょう。
私が購読している「日経ベンチャー9月号」に掲載されていた中小企業の借入金削減の方法は、もう少し現実的です。
中小企業が借入金を削減する方法として、
(1)短期借入金を長期借入金に借り換える。
(2)代金をとことん回収する。
(3)在庫を「見える化」する。
(1)の短期借入金を長期借入金に借り換えることは、借入金返済の準備運動的な行動として必要。
短期借入金で資金を調達していると、経営者の頭の中は金融機関との交渉で一杯になってしまい、ただでさえ人材が少ない中小企業であるのに、経営に集中できなくなってしまう弊害が生じる。
また、金融機関が態度を変えれば、たちまち資金繰りが行き詰ってしまう可能性がある。短期借入金を長期借入金に借り換えた際に、利率が1~2%上昇しても、それ以上のメリットがあるとの事。
金利上昇基調である今こそ効果を発揮するでしょう。
(2)の代金をトコトン回収する。と(3)の在庫を「見える化」する。結果として、今以上の運転資金の捻出が可能となる。
中小企業は売掛金の回収がおろそかになっているケースが多く、本来自社の資金として活用できるはずの資金が回収しきれていないため、自社資金が少なくなり、融資に頼らざるを得なくなっているというもったいないケースが多い。
大企業では当たり前に行っている売掛金の回収体制を構築する必要があります。
同じく在庫管理も中小企業がおろそかにしがちな部分です。
無駄な在庫、売れ筋の商品を見極める必要があります。
「ジャストインタイムでの仕入」とまで行かなくとも、無駄を省きましょう。
いずれも中小企業さんがすぐ取り組める、足元を固める対策ですね。
参考までに、中小企業の「自己資本に対する借入金比率」を記載します。(計算式は、借入金÷自己資本です。)
製造業 113%
建設業 96%
小売業 138%
飲食業 183%
自社の比率が高いようであれば、是非見直しましょう。
2007年9月5日