「責任共有制度」導入後の金融機関の対応はどう変わる?2
連日、記載しましたように保証協会付きの融資を受ける際、借り手である企業の負担はこれまでと変わりません。
むしろ保証料率は下がり金銭的負担は減ると言えるでしょう。
しかし、融資を行う金融機関としては、保証(負担)部分が0%から20%に増えるため今まで以上に融資先である企業の業績・今後の業績見込み・業界動向等(いわゆる返済可能性)について厳しく審査されると思われます。
金融機関としては、業績の良い安定した企業には貸すが、業績の良くない企業、創業したての企業といったいわゆる信用力の薄い企業に対しては融資に二の足を踏む状況になるでしょう。
安定した企業は資金調達が安易に受けられ、そうでない企業は資金調達に難儀するという資金融資について二極化が進むと思われます。
予想される金融機関の対応としては、資金需要が高まる12月まで様子を見て、年末から各金融機関の姿勢が鮮明に分かれてくるのではないかと思われます。
それまでは、下記に紹介する「小口零細企業保証制度」など、保証協会の保証は100%である制度融資を薦めてくると思われます。
小口零細企業保証制度(新設)について
今回の責任共有制度の設立を受けて、本来の信用保証協会の役割である「中小企業の金融円滑化のため」という部分が揺らいでいます。金融機関は信用力の薄い企業への融資には二の足を踏み、企業側としては資金調達の二極化が進むという事態になるでしょう。
その為、この「責任共有制度」導入に伴い、平成19年10月より全国統一保証制度「小口零細企業保証制度」が設立されました。
この制度を活用できるのは、従業員20人以下(商業又はサービス業の場合は従業員5人以下)の企業です。保証限度額は1,250万円が上限です。
但し、既に保証協会付きの融資を利用している場合は、既存の保証保証付き融資残高との合計で1,250万円の範囲までの新規融資となっていますので、既に保証協会付き融資残高が1,250万円以上の企業は残念ながら活用できません。
上記の小口零細企業保証制度以外の保証付き有志融資は、原則として全て責任共有制度の対象となりますが、円滑な制度融資の観点から当面の間、下記の保証は責任共有制度の対象外(つまり、100%保証)となります。
〈責任共有制度の対象外となる制度融資〉
○経営安定関連保険融資(セーフティネット)1号~6号にかかる保証
中小企業信用保険法第2条第4項第1~6号に規定する特定中小企業者に該当するとして市町村の認定を受けられた方を対象に信用保証を行う制度です。
○創業関連保険、創業等関連保険にかかる保証
これから開業される方、開業後5年未満の中小企業者を対象に信用保証を行う制度です。
○災害関連保証
○地域によっての制度融資
2007年9月22日