(続)飲食店の事業計画のたて方と店舗運営の仕方 応用編

先日のブログで

飲食店の事業計画のたて方と店舗運営の仕方について書きました。

今回は、その続きを書きます。

前回、「店舗運営の最低限の目標は、損益分岐点売上を達成すること(更にいえば、資金繰りも含んだ分岐点)」と書きました。

後段で、損益分岐点について、分かりやすく書いています。

よかったら、読んでください。

さて、本題です。

「1ヶ月あたりの売上は、「客単価×1日あたりの来客数×その月の営業日数」の合計です。 これが、その月の売上高になります。」

すると、

1日あたりの必要来客数の目標が定まります。

場合によっては、曜日によって来客数が変動するでしょうから、週末は3割増しの客数などにしてもよいでしょう。

あとは、

○設定した客単価を達成するための方策を検討

○必要来客数を満たすための具体的方策を検討 

このように具体的な目標数値があると、日々の店舗運営活動についても、色々と違った面が見えてきますし、ゴールに到達するための施策も検討しやすいと思います。

例えば、

○1日あたりあと5人、来客を増やすには?

○客単価をあと500円増やすには?

などです。

これならば、むつかしい事業計画にのっとって!ではなく、目の前にあるゴールに到達するには!!という視点で会議ができます。

現場の生きたアイディアも自然とたくさん出てくるようになりますよ!

と書きました。

これを、別の視点からさらに細かく分解しましょう。

1ヶ月あたりの売上高は、

「客単価×座席数×回転数×営業日数」でも出ます。

これで、1日あたりに、お店にくるお客さんを何回転しなければならないのか、の視点で検討できます。

また、別の面から

「(新規客の客単価×来店数)+(既存客の客単価×来店数)+(広告から来たお客の客単価×来客数)」でも出ます。

これで、

新規客をどれだけ獲得する必要があるのか?

既存客に何回(または何人)リピート来店してもらう必要があるのか?

クーポンなど広告をうっている場合は、広告からのお客に何人来店してもらう必要があるのか?

の具体的な目標がたてられます。

また、広告をうっている場合は、広告によって何人の人が来店したかを常に把握する必要があります。

広告によって来店したお客さんの「売上-変動費=粗利益」が広告費以下であった場合は、その広告の投資効果はマイナスだからです。

また、新規店舗開業の場合は、更に、立地の選択が重要になってくるのは当然です。

既存店舗の場合は、その提供する商品やサービスがその地域に合っているかどうかを要検討です。

さて、損益分岐点についての説明です。

お店の利益とは、売上から経費を引いた残りですね。

大雑把に書くと、

売上

-仕入

-人件費

-家賃

-その他経費

の残りが利益です。この残りが0の場合は、当然ですが利益は0です。

(くどいですが、マイナスの場合は、赤字ですね。)

上記のうち経費を変動費(売上が増えると増える経費)と固定費(売上が0でもかかる経費)に分けます。

変動費としては、仕入、変動人件費(アルバイトなど、忙しくなる=売上が増えると増える人件費)、家賃のうちデパートなど家賃が従量制の場合、その従量制部分でしょう。

固定費は、その他の経費です。

例えば、店長など固定給の方の人件費、家賃など。

すると、「売上-変動費-固定費」になります。

そして、「売上-変動費-固定費=0」の状態の売上が損益分岐点売上高になります。

損益分岐点は、固定費を回収するために、どれだけの粗利益を獲得しなければならないのか?という視点でみます。

(粗利益とは「売上-変動費」です。「粗利益/売上」を粗利益率といいます。)

求め方は、「固定費/粗利益率」です。

この損益分岐点についての記載は、過去のブログ記事

損益分岐点比率 利益の源泉について考える

損益分岐点とキャッシュフローの微妙?な関係

で詳しく書いてますので、よかったら読んでください。

さて、資金繰りを含んだ分岐点とは、「売上-変動費-固定費-返済+減価償却費=0」の状態です。まさに、資金繰りがトントンになる状態です。

飲食店を運営されているかたは、少し視点をかえて見てみてください。

余談ですが、GW終わったら、風邪をひいてしまいました。

昨日から、声が前々出ません。。。

土日でゆっくり直さないと!

2007年5月11日

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