数字にだまされるな!
プレジデントの10月1日号で、特集が組まれています。
その名も「数字王選手権」!
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の著者、山田真哉氏が記載しているコラムが興味深いので紹介します。なぜ、儲ける人は株価と財務諸表を見ないのか、というコラム。
数字は事実を伝える。数字は嘘をつかない。数字は正確だ。
こうした数字信仰は危険である。
と会計士である著者は指摘しています。
疑問に思われる方は次の例文を読んでみて下さい。
○タウリン1000ミリグラム配合
○タウリン1グラム配合
1グラムは1000ミリグラムです。
同じことなのに、なぜか「1000ミリグラム」の方が効き目があると思いませんか?
「1000ミリグラムも入ってるの!?凄い!」
という反応と、、、
「な~んだ、1グラムしか入っていないのか。。。」
という反応。
これは、数字の使い方によって受取り側の反応が大きく変わる表現方法で「フレーミング効果」といいます。実はこの技法は実は巷に溢れています。
「レモン50個分のビタミン」、「レタス1個分の食物繊維」など枚挙にいとまがありません。
“使い手によって意識的に選択された数字には、使い手の感情が濃厚に込められている。そして、このフレーミング効果は、広告、企画書、商品のネーミングといったフィールドで頻繁に活用されている。
だからといって、数字は嘘をつくとか、数字にだまされてはいけないなどとマイナスに受け取るのは早計。むしろ「数字の表現力は豊かだ」「数字には感情を込めることができるのだ」と心得て、数字のおしゃべりや表現を楽しめばよい。“
と記載しています。
「数字をどのように、受け取るか。
この受け取り方次第で、経営の方向も変わってきます。」
例えば
○投資額に対する効果は大きいか、小さいか。
○見込む利益に対する支出額は大きいか、小さいか。
○この税額は、当社にとって大きいか、小さいか。
いずれも、受け取る側の状況によって、様々ですね。
私も顧問先の社長さんと数字のやり取りをする際、痛感しています。
この数字を、「業績を計測する道具」に留まらせず、「どのように活用するか」、がその後の経営の分かれ目ですね。
私の仕事は、数字を報告することだけ!ではなく、数字を「受け取る側」の「受け取り方」をサポートするのが仕事だと思っています。
「PDCA戦略会計」と名づけ、経営を計画(P)し、実行(D)した結果を検証(C)する。
そして、結果を踏まえて、自社の状況に応じて計画に修正を加える(A)
という一連の経営サイクルを社長さんと共に行っています。
経営は数字だけではありません。
人、モノ、お金、外部環境によって、経営判断は変わってきます。
2007年9月12日