売上はどれだけ必要か?
売上はどれだけ必要か?(現状のままでの売上高はいくら必要か?)
必要売上高とは、通常、会社の必要売上高を算出するには、損益分岐点売上高を指します。
経営分析でも同じですし、会計事務所が提示する必要売上高も損益分岐点売上高です。
損益分岐点売上高とは→利益がトントン、つまり赤字にならないための売上高です。
具体的には、
(1)固定費を回収するための粗利益額はいくらなのか?
(2)その粗利益額を獲得するためには、いくらの売上高が必要なのか?
というツーステップで計算可能です。
しかし、利益金額と残るお金の金額は違います。
よくあるケースが、利益は出ているけれどお金が残っていない!というものです。
なぜでしょうか?
それは、経費ではないけれど、出て行くお金があるからです。
例えば、借入金の返済、未払い金の支払いです。
簿記のお話になってしまいますが、お金を借りたときは「利益」にはなりません。
単に、借入金という「負債」が増えた(と同時に、お金という「資産」も増えた)だけです。
返済するときは、お金という「資産」が減ると同時に、借入金という「負債」も減ったということなのです。
その結果、借りているお金を返したときは、利益は出ているけれどお金が残っていないという事態が生じるのです。
従って、必要な売上高はいくらなのか?を考えた場合、通常提示される利益がトントンになる損益分岐点売上高ではダメなのです!
では、どのように算出したらよいのでしょうか?
資金繰りを考慮した損益分岐点売上高に資金繰りを考慮した売上高でなければいけないのです。
決算書から導き出される計算式だと、
損益分岐点売上高+借入金返済額+未払い金支払額-減価償却費=必要売上高
金融機関は、この損益分岐点売上高に資金繰りを加味した売上高が上がっているか?今後はどうか?を必ず見ています。
なぜならば、利益が出ていても、貸している(または、これから貸す)お金が返してもらえなくなる危険性が高いからです。
このように考えると、決算書の「利益」とは、企業経営上の1側面でしかないことが分かります。
実際に、企業経営する上で重要なのは黒字倒産という言葉もあるように、利益以上に資金繰りなのです。
2007年10月23日