最近の業界不祥事に思う 「良いモノ」を売るには?

連日、食品業界、医療業界、英会話学校の残念なニュースが連日報じられています。

まだまだ出てきそうな気配もします。我々消費者もなかなか安心して医療を受けたり、食材を口にできなくなってきました。

そんな中でも、キチンと真面目に業務を行っている会社の方が多い訳で。。。

中にはもの凄く企業努力をしている企業も多いことでしょう。

しかし、いくら「良いモノ」でも購入する企業や消費者に伝わらなければ、売ることはできません。

中小企業で、良い仕事、良い製品、商品を扱っているのに、なかなか売上に結びつかないという光景に出会うことがあります。

とても真面目に仕事に取り組んでいる、汗をかいて良い製品を製造している、真面目で実直な社長さんや従業員さんのいる会社が、なんで業績が上がらないのだろうな、と考えると、その姿勢や製品、商品の良さがお客さんに伝わっていないのですね。

新潟県魚沼にある雪国まいたけという会社の面白いエピソードを紹介します。

3年前に「雪国もやし」という商品を開発した。

そのもやしは、普通は68円~98円する高級なもやしを数々のコスト削減の工夫をして、ほぼ半値の値段で売れるようにした商品だそうです。

「安くて良い商品なら売れて当然!」

と大平社長は思ったそうです。絶対に売れる!と。

これが大間違いで、なかなか売れない。

なぜかと調べてみると、スーパーなどの小売店にしてみれば、今まで98円で売れていたもモヤシが48円になれば、それだけ売上は減る。だから取り扱い店が増えなかったのだ、と。

悩んだ末、絶対に売れるはずだからと、大々的にテレビCMを打ったそうなのです。

その起死回生のCMは、お笑い芸人にCMソングを歌ってもらうというものでした。

CMソングは大平社長が考えたそうです。

「雪国もやしは~、めちゃめちゃ高いから~、みんな買うなよ~」

というCMソング。

社員たちは大反対したそうです。

しかし、社長は絶対譲らず押し切ったそうです。

なぜなら、「安いのが常識のもやしが『高い』と言われれば、誰もが好奇心をくすぐられる。『見てみたい』と思った人が、スーパーに行ってみなければ、『なんでないんだ!』と騒ぐだろう。それが狙いなんだ」と。

「値段は安いじゃないか」と言われたら、「理念が高いんだ」と反論しようと、パッケージに「高い理念」の4文字を印刷したそうです。

これが受けて、CM放送後、全国のスーパーに問い合わせが殺到し、1ヶ月程で取り扱い店が約6倍に増えたとの事です。

大平社長は以下のように述懐しています。

「良いモノを作りさえすれば売れる」ほど世の中は単純ではない。

良い商品を世に広めるには「人の心を読んで動かす」ことも大切と痛感した。

実は、このように良い仕事をしているのに、報われない企業も多いであろうと思います。

一部の心無い経営者の不祥事に揺れる最近の食品業界の不祥事のニュースを見るたびにうんざりしますが、その影でキチンと仕事をしている多くの中小企業、またその中でも報われていない中小企業こそ報われるべきであると思う今日この頃です。

2007年11月1日

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