1つの会社?複数の会社?(実効税率の不思議)
実効税率って聞いたことがありますか?
日本の法人の実効税率は「40.87%」と言われています。
簡単に言うと、会社の利益に対してかかる税金の割合です。(正確にはすこし違いますが、会社経営上はこの認識で結構だと思うので、敢えて細かいことは書きません。)
中小企業の場合は、「軽減税率」というものが適用される為、利益(正確には課税所得)に対して、いきなり40.87%の税金がかかるというのではありません。
法人の利益に対して係る税金は、法人税、事業税、法人住民税です。
上記のうち、法人税と事業税についてはこの「多段階の税率」が適用されます。
(さらに細かく言うと、法人住民税もあるのですが、本当に細かい話になるので省略します。)
具体的な内容を下記に書きます。
○法人税
課税所得800万円までは、22%。
800万円超の部分に対しては、30%。
○事業税
課税所得400万円までは、5%。
課税所得400万円超800万円以下の部分については、7.3%。
課税所得800万円超の部分については、9.6%。
課税所得が400万円以下の場合は、法人税も事業税の最低税率が適用されるので、「法人税+事業税+法人住民税」のトータルの税率は、「約29.3%=約3割」なのです!
課税所得が400万円を超えると、ジワジワと実効税率が上がってきます。
という事は、高額な利益が出ている会社を1つ経営するよりも、利益がソコソコの会社を複数にした方が、「トータルの税金は抑えられる」ことになります。
ただし、元々1つの会社を、この節税の目的だけで、複数にしてしまうのは、乱暴すぎます。
税務署からも否認される可能性大です。
会社を複数にする経済合理性が必要です。
メリット、デメリットを踏まえて検討してゆきましょう。
(参考までに)
実効税率とは、法人の所得に対する税負担率を示したものです。法人事業税が損金算入されるので、
%には含まれてきません。(正確には納税額の合計を指すのではありません。)
ちなみに、算式は以下になります。
{法人税率×(1+住民税率)+事業税率}÷(1+事業税率)
実は、ここでは書けないメリットがまだまだあります。
このウログ記事にご興味いただき、会社形態について検討してみたいという方は、弊社までお問い合わせ下さい。
2008年2月4日