儲かる仕組みをつくりましょう!
以前、「ノリ」が合う社員こそがベンチャーには不可欠!という記事を書きました。
民間の気象情報という新しいビジネスを切り開いた株式会社ウェザーニューズ(東証一部上場で売上高は111億円)の石橋会長曰く、
「ベンチャーってのは、地図もないまま未知の海に漕ぎだすんだから、気の合う仲間と一緒じゃなければ、いつか嫌になってしまう。」
「大事なのはノリが合うかどうか。それがないと、ベンチャーはやっていけない」
上場している会社の社長(創業者)の意見です!確かに、会社は人と人の集合です。
むつかしいことよりも、「1+1=3」になるような、勢い、パワーが重要ですよね。
ベストセラー書籍
「儲かる仕組み」をつくりなさい
(小山昇著)でも同じ内容が書かれていました。
「戦力になる人材とは、社長と価値観が共有できている人のこと」
「能力の優劣ではなく、社長と価値観が共有できていることこそが鍵になる。(中略)社長が提示するビジョンをいち早くわが物として、その通りに動けること。」
同じですね。また、こうも書かれています。
「もっともこういう考え方は、価値観の多様化を良しとする昨今の風潮の中にあっては、かなり奇異に受け止められるかもしれません。しかし考えてもみてください。社員各自の価値観を尊重し、それぞれの方針で動くことを認める企業。それは健全なのでしょうか。私にはとてもそうとは思えません。」
氏は、全社員が同じ価値観を共有すべきだと書かれています。
それが最良だと思いますが、私は、少なくともベンチャー期の創業メンバー、幹部社員は氏の唱えるところの「価値観の共有」をして欲しいと思っています。また、そうでなければ幹部社員とはいえないと思います。
なんといっても、創業時は、1人は何役もこなさなければなりません。
与えられた仕事だけをこなせば良いという訳ではなく、自分の頭でキチンと考え、行動する行動が必要です。
企業が大きくなってくると、価値観が異なる人材、気心の知れた仲間以外の人員を雇用しなければなりません。
その価値観が違う従業員をコントロールするのが、「仕組み」です。
ただし、創業時から価値観が同じ人間を仕組みで縛ってしまうのは、組織が硬直化してもったいないと思います。決め事が多すぎると、人間は考えることを止めてしまいますから。
企業が、創業期から次のステージに入ったら、「仕組み」を作らなければなりません。
その「仕組み」は、社長が勝手に決めるのではなく、管理する側の幹部たち(いわば志を同じくする創業メンバー)が同じ価値観や同じ目標に到達するために、「必要となる決まり事として作るべき」であると思います。
その仕組みを作る側になるか、与えられる側になるか。創業期のメンバーの中でも分かれるところだと思います。
中小企業やベンチャー企業で、仕組みを作る前のステージの会社の場合は、この創業ステージから次のステップの「仕組みのある組織的なステージ」へ移行するのが難しいと伺います。
中小企業の規模拡大の頭打ちは、この企業ステージを次のステップへ移行させる難しさから来るのではないでしょうか。
さて、この企業の成長ステージの移行について、「桃太郎理論」というのがあります。
起業家、創業者は桃太郎です。
そこに犬という実務家。最もよく桃太郎の意向を分かってくれる同士(いわゆる同じ価値観をもつ創業幹部メンバー)が集まります。
そして、組織がやや大きくなってくると、次に猿という管理者が合流し、組織を管理してゆきます。
このときに必要なのが「規則」「仕組み」です。
最後に、キジという調整役が合流し、それぞれの強みをもつ最強メンバーになり、鬼を退治(企業目標を達成する)するというお話です。
企業のステージが上がるにつれ、必要となるメンバーの質が異なってくるという理論です。
創業時の価値観が同じメンバーが集まっている時期は、多くの仕組みは足かせになってしまう。
創業期から、次のステージへ移行する際は、仕組みが必要。
ご自分の会社のステージを見定めたいものです。
以下、参考までに。
「仕事のヒント」神田昌典365日語録
キーワード 「会社を作り上げていくための過程は、桃太郎の物語にそっくり」
解説
起業家・桃太郎が、鬼を退治するというミッションをもって、実務家・イヌ、管理者・サル、まとめ役・キジに出会い、最終的に宝を持ち帰る物語が桃太郎。経営においても、桃太郎の物語と似たような役回りで、組織が成長していく。ほとんどの企業が、このようなシナリオに載っている事に気づけない。
そのため、警告シグナルを出さず、適切な準備もしないまま同じ落とし穴に陥ってしまう。
2008年2月20日