中小企業の3つの決算書!?
今回の会社法改正は、中小企業にとって様々な意識改革を迫られることになりそうです。
特に財務諸表の開示義務や会計参与制度の導入など今まではどちらかと言えば蔑ろにされていた決算書に関する信憑性が重要になってきました。
一昔前は「中小企業には3つの決算書がある」などと言われていました。
一つは税務署申告用(当然利益は少なくなっています)、一つは銀行等提出用(当然利益は多くなっています)、一つは自社用(これが本来の姿!?)です。
しかし銀行は税務署収受印の押されているものしか受け付けてくれないようになり、この様な使い分け(というかれっきとした違法行為ですが)は難しくなりましたが、それでも銀行の方に言わせると中小企業の決算書は未だに当てにならないという印象が強いようです。
単に上述したような時代の印象が拭えていないとうのが一番の理由なのでしょうが必要以上の節税等により本来の業績が分かりづらくなってしまっているというのもその大きな理由ではないでしょうか。
別に企業規模を必要以上に大きくするつもりもなく、便宜上法人という制度を利用しているだけ、という会社なら、どうぞいけるところまで頑張って節税を突き詰めて下さい、と思います。
しかし、企業規模を拡大しいずれは上場も視野に入れています。という会社は自社の収益力・将来性をアピールするツールとしてとらえて積極的に良い決算書を作りこむ努力をするべきだと思います。
良好な内容の決算書をベースに自社の将来を情熱一杯に語る社長、投資家や金融業者もその姿にはグッとくるのではないでしょうか?
中小企業診断士 川口貴之
2006年6月30日