利率上昇時の住宅ローンの繰上げ返済の是非

住宅ローン控除についても先日記載しましたが、借入金を一括返済するのは、実は正解なのです。

なかには、住宅ローン控除受けられなくなってしまうので、損をしてしまうとお考えの方もいらっしゃいます。

住宅ローン控除は、購入した年の制度により、控除額が、年末の借入金残高の0.5%~1%分の所得税の控除があります。

確かに年末残高の0.5%~1%の金額の所得税が少なくなる訳ですから、大きいです。

「住宅ローンを一括で返済(繰上げ返済)しようと思うのだけど、住宅ローン控除受けられなくなっちゃうよね?」と質問を受けますが、住宅ローン利率が1%以上であれば、返済した方がお得です。

実際は、利息支払額の方が住宅ローン控除額よりも高額なのです。

利率の上昇基調であるこれからは、余裕があれば返済された方が、家計支出はより抑えられます。

利率の上昇に伴って、住宅ローン控除の枠も一緒に広がれば話は別ですが、住宅ローン控除は政策的な面から設けられている制度です。

景気の悪いときは住宅ローン減税の枠は広く設けられていました。

控除のパーセントが高い、または控除の期間が長いなど。

余裕があれば、返済してしまった方がよいという根拠はもうひとつあります。

住宅ローン減税は、所得税だけの減税なのです。住民税は関係ないのです。

平成19年から財源の地方自治体への移譲で、所得税は下がり、住民税が上がります。

従って、所得税自体が少なくなりますから、住宅ローン減税の効果が薄くなってしまいます。

つまり、住宅ローン控除を受けきれない場合が出てくるということです。

例えば、年末の住宅ローン残高が2千万円あったとします。

住宅ローン減税のパーセントが1%である場合は、住宅ローン減税額は20万円です。

という事は、住宅ローン控除前の所得税が20万円以下の場合は、メリットはなくなってしまいます。

2006年12月14日

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