業績が悪化したので、役員給与を減額したい場合!?
ここ最近の景気悪化の影響で、業績が落ち込んでしまっている企業が多いです。
自社の業績が落ち込んでしまったため、自らの給与を減額しようと判断する社長さんも多いです。
しかし、現在の法人税法では、役員に対する給与は、
「定期同額支給」しか経費として認めないとされています。
(詳しくは、国税庁HPで)
たとえば、事業年度の途中で役員給与を上げた場合。
毎月100万円の役員給与を支払っているのに、事業年度の途中で150万円に
上げた場合は、その差額の50万円は、法人税を計算する上で経費になりません。
(役員給与は100万円しか認められません。)
たとえば、途中で役員給与を下げた場合。
毎月100万円の役員給与を支払っているのに、事業年度の途中で50万円に
下げた場合は、最初から50万円だったものとみなされ、その差額の50万円は、
法人税を計算する上で経費になりません。
(役員給与は、下げたあとの50万円しか認められません。)
事業年度の途中で役員給与を上げた場合や下げた場合。
いずれもデッコミ部分は法人税を計算する上で経費にならないとされていました。
しかし、昨年12月に経済が落ち込み、役員給与を減額せざるをえない場合の
取扱いが、国税庁から発表されました。
要約すると、役員給与を減額する理由がやむを得ないものであれば、
減額前及び減額後の給与を全額、経費として認められる。というものです。
では、役員給与を減額せざるを得ない理由とは!?
(1)財務諸表の数値が相当程度悪化した
(2)倒産の危機に瀕している
(3)経営悪化により、第3者である利害関係者(株主、債権者、取引先等)
との関係上、役員給与を減額しなければならなくなった
いずれの場合も、客観的かつ具体的に説明できる必要があります。
この客観的かつ具体的に説明するためには、
○なぜ、役員報酬を減額する必要があるのか
○役員給与を減額する前と、減額した後でどのような効果があるのか
(例)借入金返済の条件変更のため、改善計画の施策として。
取引先からの信用確保のため。
の2つの説明が必要とされています。
そのためには、
●実績が、○○が原因で悪化している。
●業績悪化を改善するために、複数の施策を講じる。
その施策のうちの1つが役員給与の減額である。
●それらの施策が実った場合には、どのようになるか?
という経営管理ができていなければなりません。
根拠もなく、役員給与を減額しても通らない場合があるので、
キチンと経営管理を行ってゆきたいものです。
2009年2月20日