共済を活用して節税(小規模企業共済)

小規模企業共済制度の加入対象者の拡大

昨年の12月末に「平成22年度税制改正大綱」が閣議決定されました。

まだ国会を通過していませんが、共済制度の拡充が盛り込んであります。

前回は、経営セーフティ共済制度の拡充による節税効果アップでしたが、今回は「小規模企業共済です。

小規模企業共済とは、個人事業者と中小企業の社長さん(役員さんも)が「節税」と「将来のための備え」として活用できる制度です。

過去にも書きましたが、もう一度簡単に書きます。

小規模企業共済についての過去記事はこちら

個人事業者、経営者の「節税」と「将来のための備え」

この制度の内容について

「小規模企業共済」は、中小企業の社長さん、役員さん、個人事業者の方が、自分で積み立てる退職金です。

社長さんや個人事業主の方は、退職した場合や、事業をやめた場合に、退職金をなかなか捻出できるものではないので、国(中小企業庁)が、経営者や小規模事業者のための退職金制度として、「小規模企業共済制度」をつくったのです。

正式には、「小規模企業の個人事業主または会社等の役員の方が事業をやめられたり退職された場合に、生活の安定や事業の再建を図るための資金をあらかじめ準備しておく小規模企業共済法(昭和40年法律第102号)に基づいた共済制度です。いわば経営者の退職金制度といえるものです。」と謳われています。

“現在の”加入対象者

常時使用する従業員(家族を除く)が20人以下の個人事業者と会社の役員。

(ただし、商業やサービス業では5人以下)。

毎月の掛金

1,000円から70,000円までの範囲で500円単位で自由に設定することができます。(年払いも可能です。)掛金は加入後に増減が可能なので、安心です。(減額の場合には事業経営の著しい悪化等の一定の要件が必要です。)

この小規模企業共済制度のメリット

【メリットその1、支払ったときのメリット】

掛け金は全額経費になるので、節税になる。

(給与所得者の役員も掛け金全額を所得控除できるので、節税になる。)

【メリットその2、受け取るときのメリット】

受給する時、退職金として取り扱われるので、最も税金がかからない。

【メリットその3、急にお金が必要になったときのメリット】

万が一の時、契約者貸付として融資を受けることも可能。

「メリットその1、について

支払った(積み立てた)金額は、”全額”、所得金額から控除が受けられます。

例えば、所得税と住民税の合計税率が30%の個人事業主が、月額7万円、積み立てていたとすると、1年間で84万円積み立てたことになります。(7万円×12ヶ月)

この84万円×30%=252,000円の税金が節税になるのです。

これだけの節税効果があるのですから貯金よりもよいです。」

「メリットその2、について

一定期間、事業を行って退職する際に、共済金を受け取ります。

一括で受け取る場合は、退職金という扱いになります。

なぜ、メリットかというと、退職金は老後の生活の糧でもあるので、最も税金がかからない所得なのです。

ちなみに、退職金に対する税金の計算は

(退職金額-勤務年数に応じた控除額)×1/2 に対して税金がかかります。

退職金の税金の計算は、税金がかかる金額が半分になるので、税金も少なくなります。」

「メリットその3、について

万が一、事業の資金繰りが悪くなった場合など、それまで支払った掛金に応じた融資を受けられるので、安心です。」

さて、ここからが本題です。

今回の税制改正で加入対象者が拡大されました。

現在の加入対象者は、「常時使用する従業員(家族を除く)が20人以下の個人事業者と会社の役員。」(ただし、商業やサービス業では5人以下)。

これが拡大され、個人事業者の共同経営者(配偶者や後継者など)も加入できるようになります。

世帯単位での「将来の備え」と「節税」のために、活用をお勧めします。

小規模企業共済の公式HPはこちら

「中小企業基盤整備機構 小規模企業共済」

この記事の関連過去記事は以下

個人事業者の節税方法(確定申告のポイント その1)

個人事業者の節税方法(確定申告のポイント その2)

2010年2月4日

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