消費税アップで注意すること
4月から消費税が8%になります。
ただでさえ納付するのが厳しい消費税ですが、税率が上がればさらに大変なことになりそうです。
再来年の10月に10%に上がったら、さらに厳しいです。
■消費税アップで何が変わる?
消費税率が倍の10%になれば、単純計算すると、倍の消費税を納めなければならなくなるわけです。
消費税が上がることで、会社の経営の何が変わるかといえば、設備投資です。
もちろん、消費税率が上がることで請求書等の変更を求められたり、
税率の移行期間は経理処理が面倒になったりと、表面的に変わるものは多くあります。
しかし、経営にもっともインパクトがあるのは設備投資のときです。
1,000万円の機械を買うのに、消費税が倍の10%になれば、なんと100万円もの消費税になり、
50万円も多く消費税を支払わなければなりません。
設備投資は毎年のように行うものではなく、タイミングを見計らって行うものですが、
ほんの1年ズレるだけで消費税が大きく変わるのですから要注意ですね。
あと、勘違いされている社長さんも多いのですが、消費税は土地にはかかりません。
土地はいつ売っても買っても消費税は影響しないのです。
(お金という資産が土地という資産に変わっただけで、消費はしないからです。)
その一方で建物には消費税がかかります。
建物を購入する場合は、消費税が上がる前に購入しなければ、消費税だけ数百万円の差が出ることになりそうです。
■外注費か!?給与か!?
また、消費税率が上がることになれば、税務調査でもっとも問題になるのは、外注費か給与かの判定です。
外注費として支払っていれば、消費税も支払っていることになりますので消費税は少なくなります。
しかし、給与となれば、給与には消費税は含まれませんから、消費税を差し引いて計算することができません。
結果、消費税が多くなります。
外注費か給与かの問題は、建築会社や美容室などの専門職を雇っている会社に発生します。
相手が職人さんであれば、会社としては雇っているのではなく、外注先として仕事を振っているという感覚があると思います。
しかし、税務署としてはその外注先に対する扱いが社員と同じようなものであれば、外注費ではなく給与と指摘してくるわけです。
毎月105万円の外注費を支払っている会社があるとしましょう。
この外注費が給与ということになれば、105万円には消費税が含まれないことになるので、年間に5万円×12ヶ月=60万円もの追徴税額が発生することになります。
これは1年間分ですから、税務調査で3年~5年遡られると、これだけですごい金額になってしまうわけです。
しかも、将来消費税率が上がるわけですから、外注費か給与かの問題は、今後さらに大きくなることが予想できます。
外注費か給与かという問題は、複数の要素から決まります。
少し専門的になりますが、外注費か給与かを判定するには下記の項目がポイントになります。
(1)会社に専属しているか
(2)仕事を行なう場合、個々の作業について指揮監督を受けているか
(3)勤務時間、勤務場所の拘束を受けているか
(4)材料の提供や、作業用具の供与、経費の負担を受けているか
(5)その契約の内容が、その人に代わって他人にその仕事をさせても良いようになっているか
(6)報酬が月額等により定期的に支払われるものは、仕事の完成に応じて支払われるものか
(定期昇給や退職金。残業手当や賞与。請求書等の有無。支払日が給与と同じか。手形や小切手を想定しているかなども含む)
(7)福利厚生は一般の従業員と同じか
(社会保険の加入。厚生施設の利用の可否。忘年会の出席等)
税務調査で、外注費でなく給与と指摘されてしまうと、消費税の追加納税だけではありません。
給与にかかる源泉所得税の徴収漏れにもなるので、源泉所得税も追加納税になってしまいます。
まさに、往復ビンタを食ってしまうのと同じです・・・(痛)
是非、このポイントをキチンと抑えて、給与か外注かの判断をしてください。
また、外注費ならば、契約書や請求書等を整備し、実態も揃えましょう。
2014年3月25日